HEINEです。
会社が大きくなってきたら、人も増えますし、やることも増えてきます。
そうなると右腕を作ろうとする社長がいますよね?
右腕とは社長の視点で意思決定をする人のことです。
でも、それって実はやらない方がいいんですね。
今回は会社をこれから大きくしようとしている社長が必ずぶつかる右腕問題についてを教えます。
社長は右腕を作らない方がいい理由
なぜ社長は右腕を作らない方がいいのかというと、社長自身のストレスが溜まるからです。
社長が右腕を作るということは、これから右腕になる候補にプレッシャーを与えます。
「よーし、お前にはいずれ右腕になってもらうからな。」
そんな言葉で期待をかけるわけですが、当の本人は必要以上のプレッシャーになっていることが多いのです。
そしてこの『期待』というものも厄介です。
社長は右腕候補の社員に期待をすることで意識が社員に集中します。
期待以上の結果を出さなかったらイライラしてしまいますし、汚い言葉を投げかけてしまうこともあります。
『期待』というのは、かけられる方もかける方も毒なんですね。
過剰な期待が会社自身を滅ぼしてしまう
また、過剰な期待をかけることで、社長自身も注意がそちらに向きやすくなります。
すると、意識が散漫になってしまい、本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうのです。
さらに、期待をかけられた社員の方はだんだんプレッシャーに耐えられなくなり退社ということもあります。
すると、時間、労力、そして人件費、ストレス、と全てが無駄になってしまうのです。
誰も得をすることがない以上、右腕を作る必要はないのです。
右腕は自然に生まれ育まれるもの
では右腕は作れないのか、社長はずっと忙しいままなのか、と言われたらそれは違います。
右腕を作ることはできます。ただし、アプローチが違うのです。
右腕は意識して作ろうとするものではなく、自然に生まれ育まれるものなのです。
ちょっと難しいですよね。
詳しく説明します。
右腕の定義とは?
そもそも社長が右腕に求めるスペックは自分と同等のレベルであることです。
そりゃそうです。自分のコピーを作って右腕にすることで、自分の時間を確保して別のことをしたいというわけですからね。
ただし、ここに大きな間違いがあります。
社長と社員のパワーの違いは100:30だということです。
社長と社員のスペック値の違い
社長は100ができるけど、社員は努力しても30までしか伸びない、ということですね。
なので、一生懸命スペックが30の社員を100にまで伸ばそうとしても、そもそも無理なんですね。
(それに100の人はすでに起業をしています。)
そう考えると、期待をする必要もなくなるわけです。
むしろ、社員が4人になれば30×4で120になり、社長を超える仕事ができる、と考えられるようになるのです。
僕自身の右腕育成失敗談
実は僕自身、右腕を作り上げようとして失敗した経験があります。
もともとBtoBでプロデュースの仕事をしていたので、僕は案件ごとにクライアントの商品、サービスを売り出すことでセールスポイントや売り方を理解していました。
そのため、ある時、
「これって案件をプロデュースして成功したら、自社内に似たようなビジネスを立ち上げてやれば儲かるんじゃないか。そうなったら案件の数イコール自社の事業の数となって売上が倍々ゲームで増えていくんじゃないか。」
と思いついたことがあるんですね。
そして案件をプロデュースしては人を雇い、ノウハウを直接教えて、責任者にしていったのです。
その結果、どうなったかというと、各事業の売上は全然伸びませんでした。
当然ですよね。社員のスペックは僕のスペックと同等ではないからです。
当時は若かったこともあり、僕はだんだんイライラしていきました。
「これだけの環境があるのに、甘えているんじゃないか。」
とイライラを言葉にしてぶつけたりもしました。
そんなことをしているうちに、コストがあまりにかかるようになったため、事業自体を全てたたむことにしました。
僕は右腕を作ろうとしましたが、前提条件としてスペックの違いを理解していなかったのです。
右腕の育て方
では右腕が自然に生まれるにはどうしたらいいかということについてを話します。
これは簡単で、人を増やすだけです。
大前提社員は30だといいましたが、人を増やして同等の仕事を振っていると、抜きんでた存在の人が出てくるんですね。
いわゆる50とかスペックの社員です。
基本スペックが30と考えているだけに50の社員が出てくるとすごいことが起きます。
仕事を多く振ってもどんどんさばいてくれますし、他の社員からみても結果の違いを感じて、自然とチームの中でリーダーシップを発揮する環境ができ始めるんですね。
学級クラスの中で誰もが認める学級委員みたいな感じです。
誰もがリーダーと認める存在ですね。
そうなると50の社員もリーダーの意識が芽生えるので、社長であるあなたも役職をつけてあげたりと社内で認めてあげる環境を作ってあげるとよいですね。
実際、僕が創業から役員で入り、3年間育ててきた会社では50の社員が出てきたら、その方は中途採用でしたが先に入った人たちからも頼られるようになり、自然とリーダーになっていきました。
(今はチーフマネージャーになっていました。)
こうして生まれたリーダーはやがて右腕にまで育ちますが、ポイントは無理やりやらせているわけではなく、自分でリーダーの立場なんだと意識を持ってもらうことです。
知人の会社でもそうして役員にまであがった人がいますが、会社のためにコミットメントしている意識の高さは、経営者並です。
社長の立場からすると安心ですよね。
こうして右腕は育つのです。
人が増やせるまでは社長が頑張ること
当たり前ですが、人を増やすことができるようになるまでは、まずは社長自らが一番働くべきです。
社長であるあなたが動きたくないから右腕を作りたい、では生まれることはないのです。
まずは人を増やせるくらい自分が働き、会社を育てること。
そして、少しずつ人を増やしていくこと。
ぜひやってみてください。